2012年4月15日日曜日

ミニ怖小説1

『返ってくる怨み』


中学1年の時に仲崎という奴がいた。
学校へ来ても誰とも話さず静かに外を見ているだけで、すごくおとなしい奴だった。
誰とも話さず外を見ているだけだから、そいつのあだ名は「圏外
同じ場にいる感じがしないから「圏外」取りあえず適当に付けたら、クラス中、学年中に広まった。
次第に学校へ行っても楽しい事が無かったから圏外を数人でイジメた。
始めは悪口。次第にエスカレートし水をかけたり、給食の牛乳をかけたり、色々な事をしてイジメた。
イジメた…のに圏外嫌がりもしなかった、何一つ表情を変えずに。

数日して圏外は学校にこなくなった。
そして知らないうちに転校して行った。
中2の頃には「圏外っていたねぇ。」ぐらいの話にしかならなくなった。

俺は無事にではないが中学を卒業し高校に入学した。
「はぁ…可愛い子が隣りだと良いなぁー」と思いながら
クラスの前に貼ってある席順を見た。期待は外れて隣りは男子の名前だった。
俺の進学したこの高校は女子が少ないのだ。
取りあえず隣りの奴の名前なんか記憶せずに席に座って待機していた。
数分後に隣りの席に人が座った。自己紹介は早めに澄ませておこうと思って
「俺の名前は川神 学(カワカミ サトル)。よろしくな!」と自己紹介を軽く済ませた
「僕の名前は仲崎 晴一(ナカザキ セイイチ)。そっちはあまり変わってないようだね。」
と隣りの奴も答えてくれた。だが…仲崎 晴一圏外の事を思い出した。
確かあいつも晴一だったような気がする。まさか…だけど姿が一致しない…
でも『あまり変わってないようだね』って…気のせいかな。俺は考え事をしボーとしていたら
「一つだけ言っておくよ、僕は嫌がらせを受けたら返す主義だから覚えておいてね。」
「え?」
「だから、あの時の嫌がらせだよ。覚えてない?覚えてないならいいけど、すぐに思い出すさ。」
嫌な予感がした。もしかしてあの圏外なのかも知れない…でも確信はない。
姿が違うのだから。数年でこんなに変わるはずがない…僕は確かめる為に
「も…もしかして、圏外?」お願いだ、圏外じゃないことを祈r
「そうだよ、圏外だよ。覚えててくれたの?嬉しいな…殺りがいがあるじゃないか
と笑顔で答えてきた。俺は背筋が凍った…


「あ、言うの忘れてたよ。僕は倍返しだからね。si・n・de・mo…知らないよ」


それから俺の周りから圏外をイジメた奴が次々と消えていった。
先生は「家庭の事情で」としか言わなかった…

次は…俺の番なのかな…はは…

つづく…?







↓ちょっとした謎解明↓








謎1:仲崎の姿の変化
中1の頃の姿は眼鏡を付け髪がボサボサであったが
高校に進学した頃にはコンタクトをしオシャレをしていたので姿が変化したと考える

謎2:イジメられても嫌がらなかった
家で虐待を受けており、このぐらいは楽であった

謎3:殺りがい
突然消えたのは親を殺し刑務所に入った為
それから、殺すのが快感になった

謎4:なぜ学校に入れたのか
仲崎をイジメた生徒はほとんどが問題児だったので定時制に集まり
定時制は過去を余り見ないため中崎も入れた

謎5:先生が「家庭の事情で」としか言わなかったのは
仲崎に殺されると思い、先生も事実を隠した

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